2023年4月19日(金)、科学技術振興機構( J S T )から、「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」の令和5年度採択機関が発表されました。
今年度採択された10件について、その実施主体とプログラムの特徴を以下にまとめました。
(出典:「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」令和5年度採択機関の決定について)
女子中高生の理系進路選択支援プログラムとは?
女子中高生の理工系分野に対する興味や関心を高め、理系進路へ進むことを志すためのさまざまな取り組みを支援するものです。
女子中高生の理系進路選択支援プログラムの背景には、次の2つがあります。
①第6期科学技術・イノベーション基本計画
研究のダイバーシティの確保やジェンダード・イノベーション創出に向け、中高生、保護者、教員などに対し理工系の魅力を伝える活動などにおいて、女性研究者のキャリアパスやロールモデルの提示を推進し、女性の理工系への進学を促進するため、さらなる拡充を図ることとされています。
②第5次男女共同参画基本計画
女子中高生、教員、保護者などの科学技術系の進路への興味・関心や理解を全国的に向上させるための取り組みを推進し、次代を担う女性の科学技術人材を育成することを施策の基本方針としています。
目次
八戸工業大学
企画名
めざそう、はたらく理系女子
プログラムの特徴
- 女子中高生、教員、保護者対象「はたらく女性ロールモデル紹介」講演会
- 女子中高生対象の実験体験・フィールドワーク実習、サマーキャンプ
- 中高教員・保護者向け現地見学懇談会
- 全体会議、意見交換
- ロールモデルの情報発信(ウェブサイト・冊子作成、県内女子中高生への周知)
茨城大学
企画名
地元茨城県北部で、技術者として働く誇りと喜びを
―工学を自身・他者・地域のために活用する女性の育成―
プログラムの特徴
- 中学生対象
- ものづくり体験教室
- キャリア・ワークショップ
- 中高生対象
- ロールモデルとなる地元企業の女性技術者との交流
- 高校生対象
- 研究室インターンシップ・講座受講
- 出前授業
- 中学校教員対象
- 教員研修での座談会
- 保護者対象
- オープンキャンパスおよび学園祭での研究室訪問・講演会
東邦大学
企画名
みんなが輝く未来のサイエンス
プログラムの特徴
- 女子中高生のための「連続理科講座」と「進路と将来を展望するワークショップ」を一体的に開催し、若い世代が自分の興味・関心を着実に育んでいくための支援を実施
- 連続理科講座 …食やファッションといった身近なトピックスを扱った理科実験講座を通じてサイエンスの楽しさに触れる
- ワークショップ…自分の「好き」を大切にすることの意味を考え、これからの社会での「幸せ」について話し合う
埼玉大学
企画名
理工系の豊かなイメージと多様な未来を!彩の国・理工系進路選択エンカレッジプログラム
プログラムの特徴
- 中高生向け
- 理工系への進学をエンカレッジするプログラム
- 理工系に関心を持ちながらも、周囲の進学動向から理系進学を諦めることのないよう、女子中高生同士の仲間づくりの場を提供する仕組みをつくる
- 教員向け
- 理工系女子の将来の職業の広がりや自信
- を持って進路選択を支援するための
- 情報提供
- 保護者向け
- 中高生に提供するプログラムを子どもと一緒に体験する機会
- 研究現場の見学や大学教員との懇談
お茶の水女子大学
企画名
理系フロントランナー・シーズ発掘・育成・強化プログラム
プログラムの特徴
- 進路選択を意識していない女子中学生を主な対象とする理系女性シーズ発掘の取り組みを充実 →理系分野を学ぶ楽しさを発信
- 理系への興味・関心が芽生えた層に対しては、理系進学へのモチベーションの増大を図る多様な取り組みを実施
- 理系への進路選択を真剣に考える層には、理系分野で学んだ後のキャリアパスを提示
岐阜大学
企画名
ぎふ理系女子はばたき応援プロジェクト
プログラムの特徴
- 理系進路選択後のキャリアパスについて女子中高生、保護者および教員の理解を促進するために:
- 大学や企業などで活躍する理系分野の女性研究者や技術者などによる出前授業
- 岐阜県内の研究施設や企業の見学・交流会および講演会
- 進路指導におけるジェンダーバイアスを解消するために:
- 大学の男女共同参画推進室員が中高等学校の教員や保護者を対象にアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)に関する研修を実施
香川大学
企画名
ダイバーシティ&サイエンス理系選択応援プロジェクト
プログラムの特徴
- 理系分野を身近に感じ、学問的関心を高めるために:
- 香川大学と香川県が重点を置く研究分野・施策(希少糖を含む瀬戸内圏研究、DXなど)について学び、体験する機会を設ける
- 女子学生や保護者、教員のアンコンシャス・バイアスを解消するために:
- 県内外の企業訪問
- 海外の理系ロールモデルとの交流 など
高知工業高等専門学校
企画名
女性エンジニアがつくる土佐の国
プログラムの特徴
- 女子中高生が女性技術者・研究者の道へと進む支援をする環境整備として:
- 女子中高生に向けた講演会を実施
- 体験教室の企画運営
- 職場訪問の企画運営
- イベントには教員と保護者にも参加してもらい、両者の理系進路の理解を深める
大分大学
企画名
女子中学生から女性開発者へのトランスフォーメーション-科学に「ときめく」女性の持続的育成システム開発
プログラムの特徴
- 女性活躍推進に熱心なものづくり企業6社と大学が協働して、DXとものづくり科学への「ときめき」を女子生徒と保護者に伝えようとする
- 保護者と教員には、女子生徒が将来活躍する社会人となるための指導方法の「学び直し」も用意している
- この試行活動のバトンを、事業後、おおいた地域連携プラットフォームにつなげる
宮崎大学
企画名
集まれ!宮崎アマテラスガールズ ~サイエンスの岩戸を開けてみよう~
プログラムの特徴
- 考え方
- 理系選択にはロールモデルや将来像を「知る」ことが重要であり、知ってもらうために必要な「興味をひく」プログラムを企画
- 具体的な企画例
- エネルギー、天文、光、環境や、朝起きてから夜寝るまでの実際の生活に理系技術がどのように活用されているか、身近な現象や機器について具体例を挙げて講義や実験体験に取り入れる
- 女性研究者や女子大学生が県内中学校を訪問し、学校単位で理系の魅力を伝える「サイエンスキャラバン」を導入企画とする
- 「アマテラスサイエンス体験講座」や「エンジニアリングカフェ」などを生徒が主体的に対話・体験する企画とし、女子中高生の理系進路選択を支援
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